GRANBLUE FANTASY the Animation グランブルーファンタジー ジ・アニメーション

ジータ応援活動期

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キャラクターデザイン・赤井俊文さんに聞きました!

2017.03.09

『グランブルーファンタジー ジ・アニメーション』の制作に携わっている皆さんへのインタビューをお届けする「スタッフさんに聞きました」。

今回はキャラクターデザインを務める赤井俊文さんにお話を聞いちゃいました!
元々ゲーム版をプレイしていた赤井さんは、アニメ版のデザインをするにあたってこだわりもあったみたいです。
原作ファンならではの目線でアニメ版も楽しみにしているという赤井さんのインタビュー、早速ご覧ください!

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――赤井さんは今回、『グランブルーファンタジー ジ・アニメーション』にどういった形で携わられているのでしょうか?

赤井俊文(以降:赤井) キャラクターデザインですね。今回はキャラクターデザインのみで関わらせていただいてます。最初に公開されたキービジュアルは描きましたけど、本編には携わっていないんですよ。心苦しい部分もありつつ、作画スタッフの皆さんが作るアニメーションを楽しみにしています。


――『ジ・アニメーション』のキャラクターデザインのお話をいただいたときに、どんなお気持ちでしたか?

赤井 実は事前に、『グラブル』のアニメを伊藤(祐毅)さんが監督でやると聞いていたんですが、自分は次の仕事がもう決まっていたので、時期的にスタッフとして関わることはないだろうと思っていたんです。元々ゲーム版をプレイしていたこともあって、その時は伊藤さんに「アニメの『グラブル』楽しみにしてますよ」と話をしていたんですが、その後「キャラクターデザイン」のお話をいただいて。デザインのみであれば、スケジュール的に可能ということで参加することになりました。



――元々ゲームをプレイされていたとのことですが、作品自体にはどういった印象をお持ちでしたか?

赤井 100万ダウンロードを達成するちょっと前くらいからプレイしているのですが、最初は皆葉(英夫)さんの絵に惹かれて始めました。その頃は、こんなにたくさんの人がプレイすることになるとは思っていませんでしたが、やり始めたらゲームとして凄く面白いな、と。マルチバトルも面白いし、やり込み要素もあるし、純粋にゲームとして楽しんでいましたね。今は騎空団のイベントで上位に行けなくなって悲しいですが……(笑)。



――お話の端々からゲームを本気でプレイしていらっしゃるのがわかります(笑)。お仕事として携わる前にお好きだったキャラクターはいますか?

赤井 最初にスタートダッシュガチャで選んだのは、レディ・グレイでした。折笠愛さんの声で選んだんですけど(笑)。あとはシャルロッテとか、メインキャラクターだとロゼッタが好きです。ストーリーに絡んでくるキャラではヴィーラも好きなんですけど、ゲーム的にも彼女が出てくる辺りからストーリーが盛り上がってきてさらに面白くなるんですよね。


――今回赤井さんはャラクターデザインを担当された訳ですが、皆葉さんの絵をアニメ用にリライトする形になりますよね。こちらの作業で気を付けた点などはありますか?

赤井 まずアニメではグランが主人公になると聞いていたので、そこからどうデザインするか考えました。アニメのグランはゲームのジョブでいうと「ファイター」の衣装ですけど、ゲームの初期の絵柄を参考にすると結構表情があっさりしているんですよ。主人公=プレイヤーということで意図的に特徴を減らしているんだと思うんですが、そのままだとアニメの主人公感が出しにくかったんです。それで最近の「○○万ダウンロード達成記念」的なイラストで描かれている表情豊かなグランを参考にしました。


――確かに初期に実装された主人公のジョブは、表情で個性を出すようなデザインではありませんでしたね。

赤井 他のキャラクター達が個性豊かなので、そこと並んだときに差が出ないように気を付けましたね。ただ最近の版権イラストのグランはどんどん主人公オーラを出してきていたので、それを土台にすることであまり悩みはしなかったです。


――作業的にはグランから始められたのですか?

赤井 最初にデザインしたのはグラン、ルリア、カタリナでした。3人分のデザインを一度Cygamesさんに見ていただいて、問題がなければ自分をキャラクターデザインとして正式に採用してもらうという形だったんですよ。


――その時に描かれたデザインがそのまま採用されているのでしょうか?

赤井 いえ、そこからCygamesの皆さんに色々と指定をいただきました。その後も描いては提出して監修していただいて、というやり取りをしながらの作業になりましたね。例えばグランだと髪量を増やしてほしいという指定など、髪の毛のボリュームについて結構修正が入ったと思います。



――元々ゲームをプレイされていた赤井さん的に、「『グラブル』の良さを引き出すために、ここにこだわった」というポイントはありますか?

赤井 今回は最初から作画に関わらないということが決まっていたので、自分が総作画監督までやるときには手癖で済ませてしまうような細かい部分にもこだわりました。まずは「できるだけ原作の絵に似せてみよう」という所からでしたね。ちゃんと『グラブル』のキャラに見えるように、線も減らさずにそのまま描けたら良いなあという思いがありました。


――舞台がファンタジーなので衣装も甲冑が多いですし、同時に機械類も出てくる世界観なのでアニメで省略せずに描くのは難しそうですが……。

赤井 本編の作画に関わらないからこそできるデザインですね(笑)。影なんかはもちろん減らせる部分は減らすんですけど、『グラブル』は顔以外のディテールが多いんですよ。意外と顔や肌には影が付いていなくて、髪や鎧や服に多かったりするんです。その辺りはちゃんと拾っていかないと、らしくならないんですよね。



――顔のパーツを似せるというよりも、原作の表現に寄せていく形なんですね。

赤井 そうですね。伊藤監督ともあんまりシンプルにはしたくないと話していたので、なるべく省略しないように心掛けました。フィルムの映像的にも、例えば鎧の表現が省略されてツルッとした見え方にならないようにしたかったんですよ。


――赤井さんがデザインされたのは、主にメインキャラクターたちですか?

赤井 はい。騎空団の仲間たちの他にもシェロカルテやスツルムとドランク、ティアマトやユグドラシルのような人型の星晶獣など、大体20キャラ程度デザインしました。ティアマトは人型の部分だけで、後ろの竜は3Dになる予定です。結果的に衣装がシンプルなティアマトが一番線が少なくなりましたね。


――人物のデザインと星晶獣のデザインとで、気を付けた部分の違いなどはありましたか?

赤井 星晶獣はまず、構造的にわからないことが多かったんですよ。一枚絵しかないので裏側がどうなっているかとか……。Cygamesさんに説明していただいて初めて「そうなっていたのか!」と知ることも多かったですね。


――星晶獣をデザインするときに、サイズ感は意識されましたか?

赤井 「グランサイファーで戦いに行くシナリオだから、ティアマトはデカイよね」という話はしていたんですけど、じゃあユグドラシルは大きいのか小さいのかと。ゲーム内のイベントで「ローアインたちがゆぐゆぐの手の上に乗る」みたいなシナリオがあったので、大きいのかなと考えていました。あとはリヴァイアサンがとてつもなくデカいらしいので、そちらもアニメで見られるのを楽しみにしています。



――皆葉さんのイラストにアニメのデザインを寄せるにあたって、「ここが『グラブル』らしさの肝になる」と考えていたのはどのような部分ですか?

赤井 線画で似せることはそこまで難しくないのですが、色が付いたときにどうしてもアニメ塗りとイラスト塗りとで差異が生まれるんですよ。それでイラスト上でいつも光が当たっているところに常にハイライトを置いておくとか、そういった工夫はしました。あとは『グラブル』のキャラって、意外と鼻が描かれていなかったりするんですよ。鼻の辺りにハイライトがあるくらいで。でもアニメで鼻がないのはちょっと表現が難しいので、印象を変えないように小さめに描きつつハイライトで鼻筋とわかるように心掛けました。


――デザイン作業にあたり、特に苦労したキャラクターなどはいますか?

赤井 特にCygamesさんと相談しながらデザインしたのは、ラカムですかね。ラカムって、ゲーム内のイラストだけだと髪の分け目が片一方の角度しかないんですよ。あれが正面や反対を向いたときにどう見えるのかというのは難儀しましたね。いただいた三面図と辻褄を合わせつつ、印象が変わらないように気を付けました。


――『グラブル』の世界観においては各種族や性別によって体格が全く異なりますが、描き分けで気を付けた点や印象的な修正依頼などはありますか?

赤井 僕がドラフでデザインしたのはスツルムとザカ大公なんですが、ドラフは男女で対照的な体格ですよね。印象的だったのはスツルムのデザインを提出したときに、胸にだけ修正が入ったんですよ。「重力に負けない張りがあるのが特徴です」「胸とお尻が垂れて見えないようにお願いします」と書かれていて、それが印象に残っていますね。


――Cygamesさん的にもこだわりポイントなんですね。

赤井 指定を見て「なるほど」と(笑)。以降は気を付けて描くようにしました。ハーヴィンはシェロカルテとフュリアスを描きました。シェロが腰に下げているものが、アニメで初めて羅針盤ということに決まったりしましたね。ラカムの髪型もそうですが、今まで見えていなかった部分を決めていく作業もありました。


――Cygamesの木村さんがインタビューの中で、アニメではポンメルンが様々な角度で見られて感動したと仰っていました。

赤井 伊藤監督に「ポンメルンはどんなシーンで出てきても、絶対に横を向いているようにコンテを切ってください」とお願いしていましたね(笑)。こちらもCygamesさんから正面の資料をいただけたので、それに合わせて他の角度も考えていきました。ポンメルンは序盤のストーリーだけ見るとグランを殺しちゃうし悪役なんですけど、後半になるにつれて意外な一面が明らかになったりしますからね。一見偉そうなんだけど、小物感も出るようにデザインしました。



――ゲーム版のプレイヤーとして、アニメーションをご覧になっていかがでしたか?

赤井 キャラが動いているということももちろんですけど、ゲームで使われている音楽が流れてくるとやっぱり盛り上がりますよね。まだ放送前ですがティアマト戦のダビングを見せてもらったときに、あの音楽が流れてきて「やばい、テンション上がる!」と思いました。あとはザンクティンゼル編の冒頭でもカタリナのアクションが格好良く描かれていましたが、アイシクルネイルを使うシーンが好きです。ゲームでお馴染みのアビリティがアニメーションになるのも見所ですね。


――赤井さんが思う、アニメ版の注目ポイントを教えてください。

赤井 ビィ君の可愛さですね! ずっとビィ君だけを見ていても楽しめるくらい、可愛くて癒しになります。表情もコロコロ変わりますし、動いて声が付くと一層愛着が湧きますよね。そうそう、ビィはアニメとしてグランやルリアと一緒に居るときに違和感がないように、元々原作で想定されていたサイズより少し小さくなっているんですよ。「想像していたより大きい」と思われないように、マスコットキャラクター的なサイズ感に落ち着きました。ビィに限らず、どのキャラも初めて出てきたときは自分でも感動するので、早くオイゲンやロゼッタが動いているところを見たいです。



――ロゼッタは元々好きだったと仰っていましたね。

赤井 原作初期と最近のロゼッタって結構印象が違っていて、アニメ版ではリミテッドバージョンを参考にしてデザインしたんですよ。初登場時は不気味な雰囲気もありましたが、最近の柔らかな印象になったロゼッタが好きですね。早めにリミテッドロゼッタを手に入れられたということも影響していますが(笑)。


――いちファンとしても、4月からの放送が楽しみですね。

赤井 1話終わるたびに1回10連ガチャを回そうと思います!(笑)ガチャと言えば、伊藤監督にもアニメの最後に「今日のガチャ」コーナーを入れましょう、と提案したんですよ。「今日は誰かな?」みたいな感じで、雲がボヤーっと晴れていってクリスタルが出てくるんです。「そういうのがあっても良いんじゃないですか?」と言ったら、「そんな尺取れないです」と断られてしまいました(笑)。


――断られてはしまいましたが、ゲームのプレイヤーとして楽しめるコンテンツというのも面白そうですね。

赤井 アニメの画面に1話に1文字ずつアルファベットが隠されていて、全話分繋げるとゲームで使えるシリアルコードになったりとか……。あとはバトルシーンでグランに「ファランクス!」って、ゲームで使うあのスタンプみたいなドヤ顔になってほしいですね。伊藤監督、そういうのお願いします!(笑)


――最後に、『グランブルーファンタジー ジ・アニメーション』を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。

赤井 ゲームで体験した物語を、改めて動いている絵と音楽に合わせて見られるのは自分もいちファンとして楽しみです。ガチプレイヤーの皆さんは、是非イベント周回のお供にアニメを見てください(笑)。よろしくお願いいたします!
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